今日はフロートの話,うんちくを垂れましょうかね.
フロートの主な目的は,船舶との海上衝突を避けるため,あるいはピックアップして貰うために船から見えやすくするためです.
水面に浮かんだダイバー,通常は海面から頭しか出ないわけで,せいぜい30cm程度.ちょっとした波で隠れてしまいます.目立つ色でもないですし.カラフルなフードをかぶっていれば話は別ですが(笑)
そこでフロートの登場.
ラグビーボールのような形をしたものもありますが,多くは長さ1m程度の筒状で,カラーも目立つオレンジが多いです.サーチライトを反射するよう反射材が貼られたものや,レーダー電波反射材を内蔵しレーダーに写るタイプもあります.
何回もの使用に耐えるように作られているものが多いですが,1回こっきり使い捨てタイプもあります.手入れが悪いとカビが生えて黒ずんだり,ぬるぬるになったり.筒状ですから中で乾かすのは容易ではなく,手入れも面倒です.使い捨てタイプは真空パックされていたりして小型軽量にして浮力が少なく,また,手入れ不要の優れもの.ガイドではなくて一般のダイバーは使い捨てタイプの方が良いカモね.
一般には水面でふくらませて立てます.水中でふくらませて水面に向けて飛ばすというやり方もありますが,本来の形ではありません.フロートによっては「必ず水面で」といった注意書きを添付しています.
が,しかし,現場では,ロープを付け,水中でふくらませて水面に飛ばすという運用が多く見られます.ガイドが良くやりますよね.これは安全停止中に船を呼んでおこうという目的があったり,安全停止中の水深目標になるからだったりします.安全停止する際,目標物がないと水深を維持するのが難しいですから.
ガイドが水中で打ち上げるものだから,フロートとはそういう使い方だと思ってる初心者ダイバーも多いようです.
フロートが浮かんでても,一般の船舶は意外と気が付かないものです.ダイバーがそろそろ浮かんでくるだろうなとか,その辺に浮かんでるはずなんだけど・・・と,ダイバーを捜しているダイビング船は別として,水面には何もないと思ってると,網膜に写っても脳が理解しない・・・人間ってそんなもんです.従ってフロートを上げれば安心という発想は捨てるべきです.
さて,下の写真は私が使ってるフロート.長さ7mほどのロープを付けてあり,その先端には釣り用の錘20gを2個付けてます.そしてロープは丸めたフロートに巻き付けてあります.それを袋に入れてますが,この袋のベルクロがへたり,中身がすぐ出ちゃうのでゴムひも(髪を縛るヤツ)をバンドにしてます.
紐が細くて貧弱・弱そうに見えるかも知れません.それで良いんです.万一暴走船舶にフロートが轢かれた場合,ぶら下がっている私は引っ張られることになります.そしてプロペラに巻き付いた場合は巻き取られることになります.そうです,そんなことになった場合,ロープは切れて欲しいので,いや,切れてくれないと困るので,丈夫なロープは忌避なんです.